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エロミン劇場 遭難 〜甘い走馬灯〜

26/06/03 15:01

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エロミン劇場 遭難 〜甘い走馬灯〜
​数日後のオフィス。

彼女は予定通り退職届を提出するため、
彼のデスクの前に立っていた。

二人は完璧にアイロンがけされたスーツを着て、
「上司と部下」の仮面を貼り付けている。
あの雪山での出来事も、
それまでの秘密の関係も、
最初から無かったかのように。

​事務的な言葉の合間に、
彼が周囲に聞こえない低い声で呟いた。


「……本当に行くんだな」
「はい。今までお世話になりました」


​彼女が深く一礼し、顔を上げる。
視線が交差した、その一瞬。
​二人の脳裏をフラッシュバックしたのは、
雪山ではなく、
これまで秘密裏に重ねてきた
無数の夜の記憶だった。

​薄暗いホテルの間接照明。
綺麗にハンガーに掛けられたスーツとは裏腹に、
乱暴に脱ぎ捨てられたランジェリー。
彼のネクタイを引き寄せ、
シーツに押し倒された週末の夜。


「声、出さないで」


耳元で低く囁かれ、
首筋に熱い吐息を感じながら、
奥深くまで貫かれた時の甘い痺れ。

誰にもバレてはいけないという罪悪感を
スパイスに、理性を溶かして貪り合った、
湿り気を帯びた肌と肌の摩擦。
香水の匂いと混ざり合う汗。
都合のいい関係だと分かっていながら、
互いの熱に溺れ、
何度も果てた背徳的な情事の数々――。

​一瞬の走馬灯。
再びオフィスの静寂に戻った時、
彼の手のひらには、
ベッドで彼女を抱いた時の
滑らかな肌の感触が確かに蘇っていた。

​だが、目の前に立つ彼女の表情に
もう迷いはなかった。
都合のいい女としての過去も、
彼への未練も、すべてを断ち切って
自分の足で生きていく清々しい強さだけがあった。

​彼は微かに目を伏せ、小さく口角を上げた。


「……新しい場所でも、君らしくやれ。元気でな」
「部長も。お元気で」


​それが、二人が交わした最後の言葉だった。
互いの人生が再び交わることはない。
甘く堕落した秘密の恋は、
今度こそ完全に終わりを告げた。




始まりがあれば
必ず終わりもある…

今ある『時』を大切に…





性欲向上委員会
監修エロミン





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